スペインで就職を回想録(忘年会、南部へ旅行)

10.忘年会 2001年仕事の最後の日従業員全てが集う忘年会に約200名が参加した。(社長はA社の他に2つの会社を経営) 全員が顔をそろえる。 午後9時過ぎ隣町のスマヤにある大レストランに集合した。 晩餐会にはまだ1時間余裕があり、めいめいワインやビール…

スペインで就職を(絵の個展、チャコリ)

8.絵の個展 スペインで絵を習い始めた私にとって個展開催は就職の次の夢であった。 「まだ仕事も軌道に乗らないのに?素人がどうして?」 と言われてもおかしくない個展である。素人画家とも呼べない入門画家が個展を開催すると言う厚かましさは日本では考…

スペインで就職を(会社編)家事

.家事1.) 自炊 1人暮らしに慣れているとは言え働きながらの家事は初めての事である。その中でも最も面倒なのが自炊である。日本と異なりコンビ二や弁当屋はない。惣菜屋はあるが少し高く毎日代わり映えもしない。レストランは高価で日常的ではない。食材を…

スペインで就職を回想録(アパート)

一番奥の建物が借りたアパートである 2.) アパート アパートは7階建で私の家は6階にある。 10畳間のサロンの南側は低い腰板の上部を総ガラス窓で構成し浜辺が見え景色に恵まれていた。部屋は玄関・食堂の他に6室、総ベッド数7、浴室3と1人で住むには広…

スペインで就職を回想録、デバ村に引っ越す

デバ村全景 9.11アメリカ同時テロ 現場から事務所に戻ると皆がインターネットを見ながら「カミカゼ」だと言うが、すぐには呑み込めなかった。 しばらく動画を見て高層ビル(アメリカの世界貿易センタービル)に民間航空機が突っ込む映画のようなシーンを見て…

スペインで就職を(会社編)ペンションの生活

ペンションから見るアンデュスペ山 ペンションの生活1.) ペンション“アンデュスペ” 会社から3km麓側に人口300人程のアルトイチアール村がある。 この村には簡易ホテルとペンション“アンデュスペ”があるが、「このペンションが安いわよ」と社長夫人が値段の…

スペインで就職を回想録(会社生活その1)

2.勤務時間 自分の所属する生産技術部は営業部の隣にあって、朝7時から仕事が始まる。 8時過ぎ頃から営業部の電話が鳴り響く。ある者は英語、ある者は独語、仏語とうるさく電話での会話が飛び交う。EU内企業を実感する。工場は午前6時から午後2時迄、同2…

第2部スペインで就職を(その2)

1.スペイン企業で仕事開始 2001年9月3日午前6時半。 辺りは濃いブルーに覆われて遠くに連続した白橙色の街灯がぼんやり眠っているように見えた。 スペイン北部バスク地方の朝は夏時間のせいかまだ暗い。 イチアール工業団地の頂上へ向け大きく曲る坂道を歩…

スペイン・バスク滞在回想録 最終回

(3) 日本で 次男は空港まで私を迎えに来る事になっていた。しかし次男の姿はどこにも見えない。30分待っても現れない。まず宅配便でトランクを自宅へ発送した。1円の日本円を持たないので、銀行出先機関で両替をした。驚いた。スペインの1万ペセタは日本…

5-21.AUTO CAD 教室(1)エル・ゴイバール情報専門学校 5月3日、英語教室には今月が最後になる事を伝えて、授業料1万3000ペセタを納めた。英語教室が役立っているのかどうか疑問に思えて一度休もうと考えた。 5月4日、エル・ゴイバール情報専門MHに初め…

スペイン滞在回想録 労働許可申請

5-19.労働許可申請 (1)労働許可申請 4月に入ると、セマナ・サンタ祭り前に大学の定期試験が行われる。 その頃、弁護士ニエベスから会社側の資料が揃ったとの連絡がやっとあった。4月5日の月曜日に、代理弁護士アナと待ち合わせてポダミネスに出向い…

スペイン滞在回想記 弁護士契約

5-17.弁護士契約(1)契約会社から「仕事の契約の話をしたいのでデバへ来るように」と指示があった。行くと「デバの会社で働きたいか」と聞かれた。今さら何故そんな事を聞くのかと思ったが、私の意志の再確認であった。その後、給料の希望を聞かれた…

スペイン・バスク滞在回想録

5-13 クリスマス(1) 履歴書送付 12月が近づくと、ルールデスは新聞の求人広告を私に渡しながら 「履歴書の送付準備はもう出来たの?」と妻が言うような口調になった。彼女自身も「これはどう?」 と新聞を切り抜いて持って来る。この頃は絵画教室にす…

5-8 志望会社断念 イケルが日本へ出発した翌日、C社の友人ペドロから電話があった。 「会社の結論が出た。日本人は雇わない事に決まった。これからどうする?」 「大学でスペイン語を学ぶ」 そう伝えると、ペドロは一応、安心したようだった。だが、電話を…

大学そして就職活動

5章 大学そして就職活動5-1 妻が帰国して 妻が帰国した7月9日から、次のピソに引っ越すまで10日間の余裕があった。この間、学費節約のため語学学校ラクンサへの復学を延長した。そしてイルンベのピソでは、もっぱら日本への手紙と「スペイン滞在記」を書く…

妻とのスペイン3か月滞在(サンセバスチャン)

4章 妻とのスペイン3か月滞在4-1.再びサンセバスチャン「あ、海が見える」 機内の小さな、窓から下界を見入っていた妻がつぶやいた。妻にとっては、初めて見るかわいい町ビアリッツなのだろう。どんよりした空の下、大西洋の海岸線を北にして、緑濃い田園風…

半年の語学留学を終え帰国する。

3-15 ネカネ ネカネはバスク語の名前でスペイン語ではローラと言う。彼女はレストラン・カサ・ニコラサの主人ホセの姉で、今はもう58才のセニョーラである。28年前ベアサインに出張で宿泊していた時、私にスペイン語の会話の初歩を教えてくれた女性であっ…

「スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学

3-12 サッカー 夏休みの絵画教室は、共稼ぎの主婦が保育園代わりに預ける子供達や、宿題の作品を手かける小学校低学年の児童が多い。狭い教室の中を走り回るため落ち着いて絵が描けない。午後6時半以降に子供達は帰り、かわりに勤め帰りの主婦が来る。 そ…

[スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学・学生ビザ、生活費予算

3-7 学生ビザ 言うまでもなくスペインに3か月以上滞在する時はビザが必要である。私には学生ビザの携帯が求められている。サンセバスチャンに引っ越した直後、当地の警察に出頭してアルカラの警察で聞いた事を話した。ところが、結果は意外であった。「アル…

[スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学・学校

3-4 アルバロ サンセバスチャン到着の翌日後、もう一人の同居人はアルバロという青年だと解った。アルバロは21歳.サンセバスチャンのバルでボーイとして働いている為、私と生活時間が異なり顔を会わす事がなかった。 彼は外国人との同居は初めてで、最初に…

「スペインで就職を」回想録 語学留学 サンセバスチャン

3章 語学留学(サンセバスチャン)3-1 サンセバスチャン到着 雨あがりのサンセバスチャンに着いたのは夜の9時過ぎであった。 駅のレストランで簡単な夕食を済ませ、アパートに向かった。私が今日から住むピソはフェリッペ・クアトロと呼ばれる通りの4番地…

[スペインで就職を」回想録 アルカラ留学・切符

3) 切符 バス停に着くと、マドリドに向かう多くの人がバスを待っている。 マドリド行きのバスはフランスとの国境に近いイルンを始発にサンセバスチャン・ビトリア・ブルゴスを経由してマドリドへ着く。サンセバスチャンを0時半に出発するのでマドリドには…

「スペインで就職を」回想録 再び北へ

2-10再び北へ1) マイコ 日本人女性のマイコをはじめて学校で見かけたのは、今年の1月の事だ。落着きのある女性という以外に特に強い印象を持たなかった。彼女はスペイン語のレベルが高く、クラスも上だったため、カフェでしか言葉を交わす事がなかった。そ…

「スペインで就職を」回想録 アルカラ留学編

3)面接 ペドロは朝10時頃ホテルに車で迎えに来た。C会社の本館は28年前と変わっていない。建物南側の壁面は窓を避けるように蔦が茂り、玄関の中に入ると吹き抜けの1階の広さに驚いた。ペドロは受付嬢にディレクトール・G氏の所在を確任して広い階段を上り…

2-8 北へ1) ラクンサ 昨日のいやな思いが消えないまま、昔の友人ペドロの住むバスク地方のベアサインに向かった。わずか500kmの距離を1日10便もない国鉄特急列車で6時間半かけての旅だ。 列車がスペイン北部のバスク地方にかかると、アルカラやマドリ…

「スペインで就職を」回想記 マドリドで泥棒に遇う

2) 日本人・タカ セバスチャンがピラールの家を去った数日後、日本人青年がやって来た。4月の最初の日曜日だったと記憶している。大きく重いリュックを背負って、アルカラの街を一回りしてやっとの事でピラールの家を見つけたという。青年タカはスペインの…

3)散髪屋 スペイン語の上達は遅々として進まないが、爪と髪の毛は休む事なく確実に伸びる。初めての散髪屋に行くのは億劫であるが、必要に迫られピラールにその所在を聞いた。彼女は価格の安い店を教えてくれるが地理的に良く解らないので普通の店を聞いた…

「スペインで就職を」回想録 アルカラ留学

2) 旅行 医師から制限された1週間が経ち、何とか普通食に戻った。 旅行は12月29日マドリドのアトチャ駅を出発してコルドバ1泊、セビージャへ2泊して1999年1月2日にアルカラに帰ってきた。往復ともにスペインの誇る新幹線AVEを利用した。この新幹線はフラン…

スペインで就職を回想録 アルカラ留学

3)先生達 最初の文法の先生は、マリア・ホセという30才を少し過ぎた既婚の女性だ。家事が忙しいらしく、いつも学校が始まる直前に走りながら私を追い越し、ぎりぎりで授業に間に合う姿をよく目にしていた。それを作文に書くと、「私だわ」と言って苦笑して…

[スペインで就職を」回想録 アルカラ留学・学校

2-2.学校 1)初日 スペイン到着後の2日目。 ピラールから朝8時半に学校に行くよう言われたので、筆記道具を持って学校に向かった。今日から学校に入る生徒4名が、教室で簡単な筆記試験を受けた。確か15問中1問か2問しか正解できなかったが、中級のクラスに…