2018-01-01から1年間の記事一覧

スペイン滞在回想録 (ポルトガル旅行)

32.ポルトガル旅行 リスボンの通り(役所の前) マドリドのテロの影響と天候不順でポルトガル旅行が伸び伸びになり妻から強く催促されていた。 空路にするか自分で車を運転するか鉄道の旅にするか随分迷った。 極力旅費を切り詰めることが最大の要件で列車…

スペインで就職を回想録(絵画教室、マドリドテロ)

30.絵画教室 メモしていたハビエル・サガルサスに電話をかけたのは1月の終わりの日であった。 とにかくホンダリビアに出向くことにした。 私達の住むデバ村から高速道路を走って80km先のフランスとの国境に面した街ホンダリビアが存在する。 周りを城壁…

スペインで就職を(会社を辞める)

28.会社を辞める 妻が2002年一度スペインに来てから1年が過ぎた。東京のスペイン大使館との交渉の結果、妻のビザ交付の準備が整いフランクフルト経由で単身ビルバオ空港にやって来た。ややこしいフランクフルト空港を乗り継いでよく来たと以前に増して感心…

スペインで就職を(女性に言ってはならぬこと)

25.労働ビザ延長 労働ビザの有効期間は最初が1年、2回目更新が2年、3回目以降が5年間隔の様に暫時増加していく。2回目の更新時、期限の1ヶ月前に行政出先機関に出頭して必要な書類をもらい、会社や個人的な記入を済ませて国家警察でビザの交付を受ける…

スペインで就職を(会社編)結婚式・葬式

23 結婚式1.) 結婚式 スペインの結婚式に2度出席した。 その内、披露宴には一度だけ呼ばれた。(2003年3月会社の同僚) 披露宴に呼ばれることは出費を伴う。 平均的に2万円程度は祝儀を準備しなければならない。礼服を持参していない自分は背広と靴を新調し…

スペインで就職を(会社編) 同棲、自動車を買う、保険の高価さ

21.同棲生活 恋人はスペイン語でノビオ・ノビアと言う。(末尾は男性・女性名詞の変化である) 最近の恋人達は結婚に至るまでの、同棲生活を経る若者文化がある。 これを、パレハ・デ・ヘッチョと呼ぶ。(Pareja de hecho)カトリック教徒の強い宗教的文化…

スペインで就職を回想録(同僚と夕食会、サッカー)

19.同僚と夕食会 会社の仲間達と一緒に食事をする事は通常は行なわれない。 その理由が車通勤のせいか文化なのかよく解らなかった。 皆で宝くじを買いその積立金がある程度たまった時に気の合う人の送別会を兼ねて食事会が催される、 しかも上司は絶対に呼…

スペインで就職を回想録(会社生活その1)昇給

18.昇給 夏休みが終わり又仕事が始まった。 社長は出張で会社には2~3日顔を見せない。 相変わらず設計の同僚の通勤車に便乗して自宅から会社までの往復に利用させてもらっている。彼は年齢35歳の離婚者で技術部の実質的責任者であった。 公私共に良く相…

スペインで就職を(会社編)妻が来た

16 妻が来た 2002年5月中旬、妻は私の様子を見るため1人でやってきた。 日本からミラノ空港で乗り継ぎよくやって来たものだ。 2ヶ月間の滞在のため日本食材を一杯鞄につめ重い足取りでビルバオ空港に降りた。 私の住むデバ村では史上初めて日本人夫婦が生活…

スペインで就職を(会社編)上司と喧嘩、仕事の成果

2.) 上司と喧嘩 私の労働ビザ取得に手間取った関係で1人の技師Bが半年の試行期間の条件付きで採用され既に働いていた。 かなり個性の強い青年で最初随分馬鹿にされていた。 私と若い技師Bは上司との定例会議で何度となく、仕事の大方針と具体的目標を示すよ…

スペインで就職を回想録(バスク地方の気候)

12.気候 サンセバスチャンは北緯43度に位置し札幌市とほぼ同緯度にある。にも関わらず冬期に雪が降る事は大変珍しい。長年サンセバスチャン周辺に住んで一度も雪を見た事はない。(サンセバスチャンはデバから40km東に位置する)緯度が高いのに暖かいのはメ…

スペインで就職を回想録(忘年会、南部へ旅行)

10.忘年会 2001年仕事の最後の日従業員全てが集う忘年会に約200名が参加した。(社長はA社の他に2つの会社を経営) 全員が顔をそろえる。 午後9時過ぎ隣町のスマヤにある大レストランに集合した。 晩餐会にはまだ1時間余裕があり、めいめいワインやビール…

スペインで就職を(絵の個展、チャコリ)

8.絵の個展 スペインで絵を習い始めた私にとって個展開催は就職の次の夢であった。 「まだ仕事も軌道に乗らないのに?素人がどうして?」 と言われてもおかしくない個展である。素人画家とも呼べない入門画家が個展を開催すると言う厚かましさは日本では考…

スペインで就職を(会社編)家事

.家事1.) 自炊 1人暮らしに慣れているとは言え働きながらの家事は初めての事である。その中でも最も面倒なのが自炊である。日本と異なりコンビ二や弁当屋はない。惣菜屋はあるが少し高く毎日代わり映えもしない。レストランは高価で日常的ではない。食材を…

スペインで就職を回想録(アパート)

一番奥の建物が借りたアパートである 2.) アパート アパートは7階建で私の家は6階にある。 10畳間のサロンの南側は低い腰板の上部を総ガラス窓で構成し浜辺が見え景色に恵まれていた。部屋は玄関・食堂の他に6室、総ベッド数7、浴室3と1人で住むには広…

スペインで就職を回想録、デバ村に引っ越す

デバ村全景 9.11アメリカ同時テロ 現場から事務所に戻ると皆がインターネットを見ながら「カミカゼ」だと言うが、すぐには呑み込めなかった。 しばらく動画を見て高層ビル(アメリカの世界貿易センタービル)に民間航空機が突っ込む映画のようなシーンを見て…

スペインで就職を(会社編)ペンションの生活

ペンションから見るアンデュスペ山 ペンションの生活1.) ペンション“アンデュスペ” 会社から3km麓側に人口300人程のアルトイチアール村がある。 この村には簡易ホテルとペンション“アンデュスペ”があるが、「このペンションが安いわよ」と社長夫人が値段の…

スペインで就職を回想録(会社生活その1)

2.勤務時間 自分の所属する生産技術部は営業部の隣にあって、朝7時から仕事が始まる。 8時過ぎ頃から営業部の電話が鳴り響く。ある者は英語、ある者は独語、仏語とうるさく電話での会話が飛び交う。EU内企業を実感する。工場は午前6時から午後2時迄、同2…

第2部スペインで就職を(その2)

1.スペイン企業で仕事開始 2001年9月3日午前6時半。 辺りは濃いブルーに覆われて遠くに連続した白橙色の街灯がぼんやり眠っているように見えた。 スペイン北部バスク地方の朝は夏時間のせいかまだ暗い。 イチアール工業団地の頂上へ向け大きく曲る坂道を歩…

スペイン・バスク滞在回想録 最終回

(3) 日本で 次男は空港まで私を迎えに来る事になっていた。しかし次男の姿はどこにも見えない。30分待っても現れない。まず宅配便でトランクを自宅へ発送した。1円の日本円を持たないので、銀行出先機関で両替をした。驚いた。スペインの1万ペセタは日本…

5-21.AUTO CAD 教室(1)エル・ゴイバール情報専門学校 5月3日、英語教室には今月が最後になる事を伝えて、授業料1万3000ペセタを納めた。英語教室が役立っているのかどうか疑問に思えて一度休もうと考えた。 5月4日、エル・ゴイバール情報専門MHに初め…

スペイン滞在回想録 労働許可申請

5-19.労働許可申請 (1)労働許可申請 4月に入ると、セマナ・サンタ祭り前に大学の定期試験が行われる。 その頃、弁護士ニエベスから会社側の資料が揃ったとの連絡がやっとあった。4月5日の月曜日に、代理弁護士アナと待ち合わせてポダミネスに出向い…

スペイン滞在回想記 弁護士契約

5-17.弁護士契約(1)契約会社から「仕事の契約の話をしたいのでデバへ来るように」と指示があった。行くと「デバの会社で働きたいか」と聞かれた。今さら何故そんな事を聞くのかと思ったが、私の意志の再確認であった。その後、給料の希望を聞かれた…

スペイン・バスク滞在回想録

5-13 クリスマス(1) 履歴書送付 12月が近づくと、ルールデスは新聞の求人広告を私に渡しながら 「履歴書の送付準備はもう出来たの?」と妻が言うような口調になった。彼女自身も「これはどう?」 と新聞を切り抜いて持って来る。この頃は絵画教室にす…

5-8 志望会社断念 イケルが日本へ出発した翌日、C社の友人ペドロから電話があった。 「会社の結論が出た。日本人は雇わない事に決まった。これからどうする?」 「大学でスペイン語を学ぶ」 そう伝えると、ペドロは一応、安心したようだった。だが、電話を…

大学そして就職活動

5章 大学そして就職活動5-1 妻が帰国して 妻が帰国した7月9日から、次のピソに引っ越すまで10日間の余裕があった。この間、学費節約のため語学学校ラクンサへの復学を延長した。そしてイルンベのピソでは、もっぱら日本への手紙と「スペイン滞在記」を書く…

妻とのスペイン3か月滞在(サンセバスチャン)

4章 妻とのスペイン3か月滞在4-1.再びサンセバスチャン「あ、海が見える」 機内の小さな、窓から下界を見入っていた妻がつぶやいた。妻にとっては、初めて見るかわいい町ビアリッツなのだろう。どんよりした空の下、大西洋の海岸線を北にして、緑濃い田園風…

半年の語学留学を終え帰国する。

3-15 ネカネ ネカネはバスク語の名前でスペイン語ではローラと言う。彼女はレストラン・カサ・ニコラサの主人ホセの姉で、今はもう58才のセニョーラである。28年前ベアサインに出張で宿泊していた時、私にスペイン語の会話の初歩を教えてくれた女性であっ…

「スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学

3-12 サッカー 夏休みの絵画教室は、共稼ぎの主婦が保育園代わりに預ける子供達や、宿題の作品を手かける小学校低学年の児童が多い。狭い教室の中を走り回るため落ち着いて絵が描けない。午後6時半以降に子供達は帰り、かわりに勤め帰りの主婦が来る。 そ…

[スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学・学生ビザ、生活費予算

3-7 学生ビザ 言うまでもなくスペインに3か月以上滞在する時はビザが必要である。私には学生ビザの携帯が求められている。サンセバスチャンに引っ越した直後、当地の警察に出頭してアルカラの警察で聞いた事を話した。ところが、結果は意外であった。「アル…