2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
8.絵の個展 スペインで絵を習い始めた私にとって個展開催は就職の次の夢であった。 「まだ仕事も軌道に乗らないのに?素人がどうして?」 と言われてもおかしくない個展である。素人画家とも呼べない入門画家が個展を開催すると言う厚かましさは日本では考…
.家事1.) 自炊 1人暮らしに慣れているとは言え働きながらの家事は初めての事である。その中でも最も面倒なのが自炊である。日本と異なりコンビ二や弁当屋はない。惣菜屋はあるが少し高く毎日代わり映えもしない。レストランは高価で日常的ではない。食材を…
一番奥の建物が借りたアパートである 2.) アパート アパートは7階建で私の家は6階にある。 10畳間のサロンの南側は低い腰板の上部を総ガラス窓で構成し浜辺が見え景色に恵まれていた。部屋は玄関・食堂の他に6室、総ベッド数7、浴室3と1人で住むには広…
デバ村全景 9.11アメリカ同時テロ 現場から事務所に戻ると皆がインターネットを見ながら「カミカゼ」だと言うが、すぐには呑み込めなかった。 しばらく動画を見て高層ビル(アメリカの世界貿易センタービル)に民間航空機が突っ込む映画のようなシーンを見て…
ペンションから見るアンデュスペ山 ペンションの生活1.) ペンション“アンデュスペ” 会社から3km麓側に人口300人程のアルトイチアール村がある。 この村には簡易ホテルとペンション“アンデュスペ”があるが、「このペンションが安いわよ」と社長夫人が値段の…
2.勤務時間 自分の所属する生産技術部は営業部の隣にあって、朝7時から仕事が始まる。 8時過ぎ頃から営業部の電話が鳴り響く。ある者は英語、ある者は独語、仏語とうるさく電話での会話が飛び交う。EU内企業を実感する。工場は午前6時から午後2時迄、同2…
1.スペイン企業で仕事開始 2001年9月3日午前6時半。 辺りは濃いブルーに覆われて遠くに連続した白橙色の街灯がぼんやり眠っているように見えた。 スペイン北部バスク地方の朝は夏時間のせいかまだ暗い。 イチアール工業団地の頂上へ向け大きく曲る坂道を歩…
(3) 日本で 次男は空港まで私を迎えに来る事になっていた。しかし次男の姿はどこにも見えない。30分待っても現れない。まず宅配便でトランクを自宅へ発送した。1円の日本円を持たないので、銀行出先機関で両替をした。驚いた。スペインの1万ペセタは日本…
5-21.AUTO CAD 教室(1)エル・ゴイバール情報専門学校 5月3日、英語教室には今月が最後になる事を伝えて、授業料1万3000ペセタを納めた。英語教室が役立っているのかどうか疑問に思えて一度休もうと考えた。 5月4日、エル・ゴイバール情報専門MHに初め…
5-19.労働許可申請 (1)労働許可申請 4月に入ると、セマナ・サンタ祭り前に大学の定期試験が行われる。 その頃、弁護士ニエベスから会社側の資料が揃ったとの連絡がやっとあった。4月5日の月曜日に、代理弁護士アナと待ち合わせてポダミネスに出向い…
5-17.弁護士契約(1)契約会社から「仕事の契約の話をしたいのでデバへ来るように」と指示があった。行くと「デバの会社で働きたいか」と聞かれた。今さら何故そんな事を聞くのかと思ったが、私の意志の再確認であった。その後、給料の希望を聞かれた…
5-13 クリスマス(1) 履歴書送付 12月が近づくと、ルールデスは新聞の求人広告を私に渡しながら 「履歴書の送付準備はもう出来たの?」と妻が言うような口調になった。彼女自身も「これはどう?」 と新聞を切り抜いて持って来る。この頃は絵画教室にす…
5-8 志望会社断念 イケルが日本へ出発した翌日、C社の友人ペドロから電話があった。 「会社の結論が出た。日本人は雇わない事に決まった。これからどうする?」 「大学でスペイン語を学ぶ」 そう伝えると、ペドロは一応、安心したようだった。だが、電話を…
5章 大学そして就職活動5-1 妻が帰国して 妻が帰国した7月9日から、次のピソに引っ越すまで10日間の余裕があった。この間、学費節約のため語学学校ラクンサへの復学を延長した。そしてイルンベのピソでは、もっぱら日本への手紙と「スペイン滞在記」を書く…
4章 妻とのスペイン3か月滞在4-1.再びサンセバスチャン「あ、海が見える」 機内の小さな、窓から下界を見入っていた妻がつぶやいた。妻にとっては、初めて見るかわいい町ビアリッツなのだろう。どんよりした空の下、大西洋の海岸線を北にして、緑濃い田園風…
3-15 ネカネ ネカネはバスク語の名前でスペイン語ではローラと言う。彼女はレストラン・カサ・ニコラサの主人ホセの姉で、今はもう58才のセニョーラである。28年前ベアサインに出張で宿泊していた時、私にスペイン語の会話の初歩を教えてくれた女性であっ…