スペインで就職を回想録、デバ村に引っ越す

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         デバ村全景

9.11アメリカ同時テロ
 現場から事務所に戻ると皆がインターネットを見ながら
カミカゼ
だと言うが、すぐには呑み込めなかった。
 しばらく動画を見て高層ビル(アメリカの世界貿易センタービル)に民間航空機が突っ込む映画のようなシーンを見て「神風」の意味を解した。
 悲しい気がした。
 西洋人は自爆することを「神風」と言うが、「神風特攻隊精神」は日本人しか理解できないと信じている。
 アメリカのテロはジハード(聖戦)と言われるが一般市民を巻き込んだ残虐な自爆行為であり「神風」と同列に置かれる事はむなしい。

 その後2003年3月に起きたイラク戦争のテレビ放送を見て、海外に住む人達には日本で思う以上に戦争の恐怖を身近に感じる。
 海外には日本国家は存在せず、個人でしか身を守るすべがない。


6.デバ村に引っ越す
1.) デバ村
 アパートの内部を見ないで賃貸契約をした。
 アルトイチアール村はあまりにも田舎過ぎた。
この村で入手できるタバコの種類は限られ6km離れたデバ村で買い求める必要がある。全て不自由で不経済で車を持たない自分にとっては陸の孤島の如き場所であった。
デバ村のアパートにまだ避暑客が住んでいて内部が見られない、確保のため1週間前に契約を済ませた。本件は社長夫人に全て依頼した安心感によるもので普通ではありえない。
 アパートは私鉄ウェスコ・トレンのデバ駅前にあり、旧国道を横切り大広場への通りに面し村の中心と呼ばれていた。
 村は人口2500人ほどで、デバ川の扇状地として発展した地域でビルバオ(人口40万人)とサンセバスチャン(人口20万人)のほぼ中央に位置し内陸部から海に至る交差地域にある。
 村の中心の北側は旧国道と鉄道、デバ川が平行に走り南側は教会や広場と
東西に長く開けた居住区がある。
 川沿いにポプラ並木の散歩道、駅と浜辺間には芝生と多くの木々が植えられた広い公園がある。公園の花壇には紫陽花や椿が植えられ花が咲いては日本の季節を思い出させる。
 夏に内陸部の多くの人達が浜辺に集まり川沿いの散歩道に併設された縦列駐車場は一杯となる。浜辺へと続く散歩道のポプラ並木は葉を一杯に茂らせ緑影をベンチの上に落とす。
 冬には枝葉の存在も忘れてしまう位ばっさりと剪定されデバ以外の人の賑わいもないため死んだ村と評される。