2018-01-01から1年間の記事一覧

[スペインで就職を」回想録 サンセバスチャン留学・学校

3-4 アルバロ サンセバスチャン到着の翌日後、もう一人の同居人はアルバロという青年だと解った。アルバロは21歳.サンセバスチャンのバルでボーイとして働いている為、私と生活時間が異なり顔を会わす事がなかった。 彼は外国人との同居は初めてで、最初に…

「スペインで就職を」回想録 語学留学 サンセバスチャン

3章 語学留学(サンセバスチャン)3-1 サンセバスチャン到着 雨あがりのサンセバスチャンに着いたのは夜の9時過ぎであった。 駅のレストランで簡単な夕食を済ませ、アパートに向かった。私が今日から住むピソはフェリッペ・クアトロと呼ばれる通りの4番地…

[スペインで就職を」回想録 アルカラ留学・切符

3) 切符 バス停に着くと、マドリドに向かう多くの人がバスを待っている。 マドリド行きのバスはフランスとの国境に近いイルンを始発にサンセバスチャン・ビトリア・ブルゴスを経由してマドリドへ着く。サンセバスチャンを0時半に出発するのでマドリドには…

「スペインで就職を」回想録 再び北へ

2-10再び北へ1) マイコ 日本人女性のマイコをはじめて学校で見かけたのは、今年の1月の事だ。落着きのある女性という以外に特に強い印象を持たなかった。彼女はスペイン語のレベルが高く、クラスも上だったため、カフェでしか言葉を交わす事がなかった。そ…

「スペインで就職を」回想録 アルカラ留学編

3)面接 ペドロは朝10時頃ホテルに車で迎えに来た。C会社の本館は28年前と変わっていない。建物南側の壁面は窓を避けるように蔦が茂り、玄関の中に入ると吹き抜けの1階の広さに驚いた。ペドロは受付嬢にディレクトール・G氏の所在を確任して広い階段を上り…

2-8 北へ1) ラクンサ 昨日のいやな思いが消えないまま、昔の友人ペドロの住むバスク地方のベアサインに向かった。わずか500kmの距離を1日10便もない国鉄特急列車で6時間半かけての旅だ。 列車がスペイン北部のバスク地方にかかると、アルカラやマドリ…

「スペインで就職を」回想記 マドリドで泥棒に遇う

2) 日本人・タカ セバスチャンがピラールの家を去った数日後、日本人青年がやって来た。4月の最初の日曜日だったと記憶している。大きく重いリュックを背負って、アルカラの街を一回りしてやっとの事でピラールの家を見つけたという。青年タカはスペインの…

3)散髪屋 スペイン語の上達は遅々として進まないが、爪と髪の毛は休む事なく確実に伸びる。初めての散髪屋に行くのは億劫であるが、必要に迫られピラールにその所在を聞いた。彼女は価格の安い店を教えてくれるが地理的に良く解らないので普通の店を聞いた…

「スペインで就職を」回想録 アルカラ留学

2) 旅行 医師から制限された1週間が経ち、何とか普通食に戻った。 旅行は12月29日マドリドのアトチャ駅を出発してコルドバ1泊、セビージャへ2泊して1999年1月2日にアルカラに帰ってきた。往復ともにスペインの誇る新幹線AVEを利用した。この新幹線はフラン…

スペインで就職を回想録 アルカラ留学

3)先生達 最初の文法の先生は、マリア・ホセという30才を少し過ぎた既婚の女性だ。家事が忙しいらしく、いつも学校が始まる直前に走りながら私を追い越し、ぎりぎりで授業に間に合う姿をよく目にしていた。それを作文に書くと、「私だわ」と言って苦笑して…

[スペインで就職を」回想録 アルカラ留学・学校

2-2.学校 1)初日 スペイン到着後の2日目。 ピラールから朝8時半に学校に行くよう言われたので、筆記道具を持って学校に向かった。今日から学校に入る生徒4名が、教室で簡単な筆記試験を受けた。確か15問中1問か2問しか正解できなかったが、中級のクラスに…

「スペインで就職を」回想録 語学留学(アルカラ)

2章 語学留学(アルカラ)2-1.ホームステイ先1)スペイン到着 照明に煙るロンドン市街が傾いて見える。 成田を出発後、ヒースロー空港で乗換え、マドリドに向け飛び立ったのは1998年12月6日、現地時間で午後6時半を少し回った頃だった。 満席の航空機は大…

「スペインで就職を」回想録 マドリドへそして帰国

1-6 マドリドへ そして帰国1) マドリドへ 翌日、フロントの青年にESCUELAの場所を聞き、アルカラで教えてもらったサラマンカのスペイン語学校を探した。57番地をみつけ、エレベータでESCUELAのフロアーまで上った。 下りると明かりが見え開かれたままの扉…

「スペインで就職を」回想録 サラマンカ

1-5 サラマンカへ1) 乗換え 朝7時半に目が覚めた。 昨夜は予期せぬ訪問者で幾分興奮気味であったが、今朝はすっかり落ち着いている。昨夜と同じカフェテリアで朝食を取った。8時にフロントにてVISAカードで支払いを済ませ、ホテルからタクシーで駅へ向か…

「スペインで就職を」回想録  ペドロと会う

4) ペドロ ホテルのフロントには、ブロンドの女性とは違う黒髪の女性がいた。 「貴女が昔のカスティージョに勤めていた人ですか?」 「そうです」 「この写真は27年前にここで撮った写真です」 そう言って写真を見せた。 「これはネカネです」 そう付け加…

[スペインで就職を」回想録 ベアサインへ

1-4.ベアサインへ 1)市場 朝7時頃、目が覚めた。窓の外の海岸通りには、もう散歩する人達が見えた。朝食のため1階へ下りる。 朝食後、時間がだいぶあるので街へ散歩に出かけた。月曜日という事もあり、街は働く人々で活気づいていた。ホテルへの帰り道…

「スペインで就職を」回想録 サンセバスチャンへ

1-3 サンセバスチャンへ1) 特急列車DIRUNO 朝7時半に朝食を終えホテルを9時に出た。アトチャ駅からセルカニアでチャマルティン駅に向かった。 車内は日曜日のせいか、あまり乗客はいない。チャマルティン駅に9時半に到着。長距離列車は10時発なのでまだ30…

「スペインで就職を」を回想録 アトチャ駅

2)アトチャ駅 再びアトチャ駅に戻った。改札口広場の中央にある切符売り場で、明日旅行するサンセバスチャン行きの切符を求めようとした。だが、そこにはLARGO(長距離列車)の予約切符売場ではなかった。売場のお嬢さんは英語が多少できるらしいが、最後は…

「スペインで就職を」回想録 マドリド・アルカラ

1-2 マドリド1) アルカラへ 夜中の2時に一度目覚めまた眠りにつき、起床は6時半頃であった。7時半迄待って電話で朝食の場所を確認した後で0階に下り、フロントから階段でサロンへ上がる。サロンには大勢の日本人がいた。初めてのせいか私はぎこちない。食…

スペインで就職を回想録  ヨーロッパへの空路

1章 27年ぶりのスペイン 1-1ヨーロッパへの空路 1)出発 1998年1月21日、JALPACマドリド10日間の旅のスタートは、大阪空港7時35分が集合である。前泊したホテルの送迎バスは7時丁度に出発し、5分後には空港に到着した。 空港内はスキー板をかついだ若者…

回想録について

「スペインで就職を」回想録について (1) バスク州のサンセバスチャン市は長い間、テロ集団ETA(バスク祖国と自由)の本拠地とされていた。外務省の海外危険情報にも記載され、日本人が訪れる事が珍しいベールに覆われた美しい地域である。最近テロ集団ETAは…