回想録について

「スペインで就職を」回想録について   (1)

 バスク州のサンセバスチャン市は長い間、テロ集団ETAバスク祖国と自由)の本拠地とされていた。外務省の海外危険情報にも記載され、日本人が訪れる事が珍しいベールに覆われた美しい地域である。最近テロ集団ETAは解散宣言をしたらしく日本からの観光客が増えつつある。
 私が最初にサンセバスチャンを訪れたのは1970年で、その27年後の1997年から2004まで現地に滞在した、回想録はこの間の生活体験を綴ったものである。
 
 第1部の「スペインで就職を」は2003年、出版社「碧天社」から共同出版されたが、出版社の倒産で幻の著書となった。今回それに基づいてブログ用に大幅に編集しなおした。
 語学留学(アルカラとサンセバスチャン)及び就職活動・労働ビザ取得までの手続き等の詳細を述べている。

 第2部の「スペインで就職を(その2)」は一度「ブログ・アメバ」にて公開ずみであるが第1部との関連を持った編集を施し「はてな・ブログ」にて公開するもので、スペイン企業入社後の会社生活を主体にスペイン・サラリーマン文化等を述べている。

下図にイベリア半島バスク州の位置関係を示す。               

        バスク州(下図の赤着色部がバスク州を示す)

イベリア半島  f:id:viejo71:20180816181816p:plain

第1部 スペインで就職を
 はじめに
  もはや国際就職は、若者達だけの夢でもなければ、大学教授や科学者たちの特権でもなく何人にも開かれた道である。洋の東西を問わず、海外企業で活躍する日本人はごまんといる筈である。熟年サラリーマンがそれに挑戦したとしても、おかしな話ではあるまい。
 本書は長年勤めた日本企業を51歳で辞め、スペイン・バスク地方に就職を試みた結果、日本企業に一切関わりのないスペイン企業に運よく就職が決定するまでの体験記である。
 語学習得のため現地語学学校や大学で、自分の子供達と同じくらい若い日本人や欧米人に混じっての学生生活から始めた。スペイン語は複雑な文法構造のためか、語学学習は考えた以上に時間を必要とした。その間に数多くの失敗を繰り返しながらも、スペイン北部にある美しいバスク地方・サンセバスチャンを中心とした生活体験とあまり公然でない労働ビザ取得に関する手続きに至るまでを記録したものである。
                  2003年10月 スペインにて 抜粋より