スペインで就職を(会社編)最終回 日本へ

38.日本へ
 5月中旬のヨーロッパ旅行からデバ村に帰り6月22日帰国の日迄にまだ1ヶ月はあると言うのに生活は荷造作業に明け暮れ、他は送別会に追われた日々であった。
  会社の同僚、空手の先生、メンチュウの家族、83歳を迎えたアントニオ夫妻、新しい友人の画家ソレの家族、バルの主人ラモン夫婦、社長夫婦を含めた彼らの友人達、社長家族との送別会は出発の前夜遅くまで行なわれた。
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   無謀とまで言われた熟年男のスペイン就職の夢はかない、短い期間ではあるが会社生活を送ることが出来た。
   その間色々と物議をかもす自分に対し同僚が言うには
「君は仕事のために生活するのか」
「我々スペイン人は生活のために働く、そして生活は楽しむものである」
   と言われた事を明確に記憶している。
  彼等の文化に憧れてスペインに来た筈なのに習慣のチェンジは容易には出来なかった。それでも同僚や友人達に一つ一つ教えられ大義なく過ごす事が出来た。彼等に感謝をしたい。
  振り返ればスペインを訪れて約7年目を迎えている。
  文豪セルバンテスが学んだ大学の街アルカラ・デ・ヘナレス(マドリッド郊外)での語学スクールでの勉強を皮切りにバスクへ移り住み語学スクールや大学で学びながら就職活動を行った。
  会社生活を送りながら油絵の個展開催や「スペインで就職を」の全国出版をする等スペインに来なければ出来なかった様々な体験した。
 今スペインを去るに際し色んな想い出が去来し胸が詰まる思いがする。
 長男の結婚式が終わり次第、短期間ではあるが絵を学ぶため再びスペインにやって来る。
  そのためセンティメントな思いは少し希釈される気がする。
  2004年6月22日朝5時過ぎ妻と共にデバ村を発ちビルバオ空港へ向かう。
        
      完
  本項を持ちまして第2部を終了させていただきます。長い間読んでいただき真にありがとうございます。しばらく準備に時間を要しますが第3部を続けて考えております今しばらくお待ちください。            筆者 Viejo71