スペインで就職を(スペインテレビ事情、確定申告)

35.スペイン・テレビ放送事情
 夜はあまり出かけず専らテレビに専念する。
 スペイン国営放送ETVにコマーシャルが入る。
 その代わり日本のように受信料を取らない。
 この放送には教育番組と総合番組の2チャンネルからなり、コマーシャルも慣れてみればおかしくはない。
 民放もそうであるがコマーシャルの回数が少なく1回が非常に長い。
 1回15分はあるのでこの時間を使って一仕事が出来る。
 映画など中断が入ると前に何を見ていたのか考えてしまう。
 週末はコマーシャルなしの映画を流すがこれも又しんどい話で他の事は何も出来ないからである。
 バスク語放送が1チャンネルあるが全く解らない。サッカーの試合中継がよくあるのでボリュウ-ムを絞って見る。
 国営放送ではワールドカップ等国を挙げての試合を中継するがスペイン1部リーグの試合中継は全くない。
 サッカーの試合を見ようとすれば衛星放送との契約が必要で多くの村民はバルへテレビを見に行き人の黒山が出来る。
 土曜・日曜の午前中は子供向けの番組が多く日本のアニメ“キャプテン翼”等も毎週放送されている。アニメの主題歌は日本語で流されるので面白い。
夏休みには子供向放送を多く流すため18歳以上対象の番組などこの時期は姿を消す。
 普通のテレビジョンを購入すると文字放送が見れる。
 文字放送は各放送会社の番組からスポーツの試合予定・結果から天気予報とかなりの項目が見られる。
 スペイン皇太子妃候補レティシアが国営放送のニュース・キャスターをしていて婚約発表前夜に番組降板の挨拶をした事がある。
 妻は彼女がお気に入りであった。
 彼女は離婚経験者であった。さらに両親も離婚していて我々の感覚からすると「エー」と思う。恋愛については自由な国である。

 

 

36 確定申告
 日本のサラリーマンの年末調整は会社がほぼ全てを担当してくれるが、スペインでは3月4月に個人が税務署に出向いて行なう必要がある。
 昨年はこの確定申告には行かなかった。
 給料から税金等を源泉徴収されていても確定申告は納税者の義務であり自ら税務署に出向いて手続きを果たさなければならない。
 昨年は忙しさにかまけて税務署には行ってはいない。
 私達のようにアパートを借りている者にとって払戻しの対象になることは明らかと聞いていた。
 先ず税務署に出向き揃えるべき必要な書類を受取り何時提出できるか予約を取る。
サンセバスチャンの税務署に行くと案内がバスク語で書かれ場内放送もバスク語のみでスペイン語は使われない。
 受付で整理券を取って待つ。
 順番が来ると事務所内に並んだデスクの番号が表示されてそこに行き身分証明書と記入ずみの資料を提示して税務職員と打合に入る。
 書類に目を通しながら質疑応答が繰り返される。
(自分には払戻しがあると確信している。)
 昨年までどうしていたのかと言う事が問題になり担当者は上司を含め4人程が私を見つめながら話合を進める。
 今年は今年の事で出頭しているので昨年のことは問題ではないと思っていた。家主の申告にも関係するので気が気でなかった。
 家主がアパート収入を申告してないとそれはそれで問題になるはずで私の問題ではないがややこしい事に巻き込まれたくない。
 やがて担当者が席に戻り提出した書類からコンピュータに向かい入力作業を始めた。  いらぬ事とは思ったが何が問題かと質問した。
 やはり昨年までの申告の事であった。
 それで払戻しはもらえるのかと聞くと、
「問題はありません、2日後に貴方の口座に1000ユーロ(約13万円)振
込まれる」
 と聞き一安心をした。
 申告から手続・支払が大変早いと思ったし貴重な経験を得たとも思った。
 確定申告は源泉徴収であっても毎年欠かさず行くべきであるが私にはこれが最後の機会になりそうである。