スペイン・バスクスケッチ旅日記(その3)

5月19日 パンプローナ
 
 今日はパンプローナに行く。
今回の旅の最大の目的はパンプローナのPLAZA・CASTILLO(カス
ティジョ広場)をスケッチする事である。
 ペンションの前のバル・ハビエルで簡単な朝食をとりアマラ地区の
バスステーションに向かう。

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 切符売り場でパンプローナ行きの切符を買う。7€。
 まだ時間があるのでアントニオ爺さんの家に電話を入れた。電話に
セシイ夫人が出て私を覚えていてくれた。
 「アントニオは昨年亡くなった」と言う。
セシイの声に元気がない。
 妻同伴でしばしばアントニオの家を訪問し色々と世話になった。
 特にインフルエンザにかかった時は年寄りの経験から即効的なアド
バイスをもらって無事にすんだ事もある
83歳からパソコンを始め簡単な画像処理を行っていた。
連絡がないので生死が気がかりであったがやはりと思った。
 昔住んでいたフェリッペ・クアトロ地区に向かうが場所が解らない。
やむなくバスステーションに戻りパンプローナ行きのバスに乗った。
パンプローナナバラ州の州都で毎年7月のサンフェルミン祭りの牛追いで死者を出す程有名な街、サンセバスチャンより内陸部に入った場所にある。ナバラ州も昔はバスクの一地方であった。)

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 ピレネー山脈の間を飛ぶようにバスは走る。谷間に橋脚を立てその上に橋桁をかけ高速道路を構成する。シートベルトをしっかり締直す。
 約1時間でパンプローナのバスステーションに到着した。駅は地下1階にあるため方向が解らぬ。出口も解らない。
 案内所で観光地図をもらった。
 空腹を覚えマクドナルドでハンバークを注文してかぶりつく。
 店のねえさんに(カスティジョ広場)への道順を教えてもらい地上に出ると辺りに広い芝生が広がる。その上で寝そべる3人の若い女学生に目的地を確認した。五稜郭を思わせる城郭跡を見ながら歩く。
 現在100号の絵に挑戦中のPLAZA・CASTILLOのスケッチにやってきた。私の描く作品は雨風景であり今は雲一つない晴天である。

 スケッチを含め3時間は付近をうろうろするが、雨風景は創造で描くしかないと思った。
 この地に1泊することも考えていたが雨の降る気配もなく引揚げるためバスステーションに向かう。
 バスの遅延にいらだち再三切符売り場を詰問する。
「何故バスは来ないのか」
 後で気付くが私自信が時間を間違えていた。
 バスステーションは地下にあり円柱空間の円弧を約20ヶ所放射状に分割しバスの乗降口が設けられている。
 パトカーが次第に増えて5台となり警察官がバスステーションの中を警羅する。気の毒にアラブ風の男性二人が職務質問を受け身分証明書の提示を求められて電話確認されている。
 私には挨拶もなく安堵する。
 2時間待った後やっとバスが到着して帰路につく。
ピレネー山脈越しに夕陽が美しく映える。