スペイン・バスクスケッチ旅日記(オンダビリア)

・5月22日 1日中家に引きこもる
 朝小雨。
 1日中ベッドに横になりテレビを見ながら過ごす。
 今日は休養日である。
メードが来た。彼女は中南米出身の筋肉もりもりの若い女性で部屋の掃除にきた。
カルメンだと名乗りアンタはと聞く。
 ちょうど良い。たまった洗濯物を持ち帰ってもらう。
 スペインではパンツまでアイロンをかけるのでアイロンかけの必要はないと提案した。
 昨夜イケルは私に
「デバ村に早く来たらどう、デバ村の人達が待っているよ。家は父親の家が空いているからそこに泊まれば良い」
と言うが自分の全日程を考えて見る。現在の場所は交通面で大変便利な場所にある。

  

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              オンダビリアのパラドール近くから対岸のフランス眺望


・5月23日 オンダリビア
 9時に部屋を出て国境の街オンダリビアに向かう。20分ばかりでバスは目的地に到着した。( オンダビリアとはバスク語で国境の意味、スペインでは一番雨量の多い地域)
 オンダリビアはビダソア川沿いのフランスとの国境の街である。
 16世紀にルイ13世と争った街で小高い丘は全て城壁に囲われている。昔2か月間通った画家ハビエル・サガルサスの絵画教室が頂上近くにある。
 7年ぶりに会った先生は自分のアトリエに私を案内した。近々行う個展の準備の説明をする。昔から個展開催が多すぎる先生の印象がある。
 その後パラドール(国営ホテル)近くでスケッチを描き、持参した水彩・絵の具で初めて着色を試みた。
 古い教会をスケッチしながら空腹を覚えた。
 スペイン人女性画家ソレと通ったレストラン・マムシャ(魔女)に向かうが休日であった。女性料理人エバの料理は抜群でそれでいて価格も安く残念である。
  城門の下のレストラン{大衆食堂}に入る。外も中も一杯である。約50人のお客がいる。
 サラダミクスタ・肉料理・コハダ(独特なヨーグルト)・カフェ・飲み物はビールこれで15€。殆ど労働者が占めていた。
 忙しそうに飛び回るおかみに7年前はよく来たが覚えているかと聞くとしばらく考えながら思い出したと答えた。
 昼食を終えて城壁の外側の川沿いを歩く。辺りは別荘地である。玄関からの庭が美しい。道路中央の花壇には今が旬なのか紫色の紫陽花が今を盛りと咲き誇っている。

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さらに西側に至るとヨット・ハーバーやテニスコートが目に入る。

 テニスコートの中に珍しいものを見た。テニスコートの面積半分程度の広さのコートは天井部を除き周囲は透明な壁で囲まれている。中央部にネットが張られ、その両側に2名ずつがプレイしている。ボールは硬式テニスの球よりやや小さくラケットは木性のハニカム構造で軽量化のためか小穴が開けられていた。サーブは下からでその他はスカッシュに似ていた。コート事務所で名前を聞くとPADEL(パデル)と聞いた。フランスでも流行しているとも言う。

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 サンセバスチャンまでバスで帰る。
 部屋には洗濯物が届いていた。下着はまだ湿っており次回はアイロンをかけることを指示しよう。
 テレビでは昨日の統一地方選挙で与党のPSOE(社会党)が惨敗でPP(国民党)の大勝利を伝えていた。2004年2月に同時多発列車爆破事故で200名余の死者を出した。その2日後の選挙でPSOEが勝利して以来の敗北である。その理由は経済政策の失敗にあるようで失業率25%ではどうしようもない。